【海外旅行】1983年オーベルニュロマネスク紀行(3/16)

【第3日】1983年7月30日(土)のつづき リモージュ近郊:日の出  : 06:35 ラカーヴ:日の入り : 21:24  レートFF(フラン・スフラン)=¥31。

ST-MARTIN-DU-FAULT -- SOLIGNAC ( EGLISE ABBATIALE ) --COLLONGES-LA-ROUGE -- BEAULIEU-SUR-DORDOGNE ( EGLISE ST-PIERRE ) -- CARENNAC -- SOUILLAC ( ANCIENNE EGLISE ABBATIALE ) -- SARLAT-LA-CANEDA ( QUARTIER ANCIEN ) --MONTFORT -- LACAVE ( ■CHATEAU DE LA TREYNE )

 11:00、さて次は、国道20号線を南へ110キロも走ります。「フランスで最も美しい村」「コロンジュ=ラ=ルージュ(COLLONGES-LA-ROUGE)」です。
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 途中、「オレンジ、グレープフルーツ、アイスキャンデ−」を買って、昼食代わり。南へ走る幹線道路は結構車が多いです。サマーバカンスの時期です。そういえば、キャンピングカーが目立ちます。沿道は「トウモロコシ?畑」、30分ほど走ったところ「ユゼルシュ(Uzerche)」という町の手前で自然渋滞……13:25 やっと到着。

 ここで「フランスの最も美しい村(Les plus beaux villages de France)」を説明しておきましょう。以前にもこのブログの2020年08月09日【塗り絵】おとなのスケッチ塗り絵(4/6)で紹介しています。
--------ウィキペディアより引用------------------------
「フランスの最も美しい村」は、1982年にフランスコロンジュ=ラ=ルージュ(コレーズ県)で設立された協会である。その目的は質の良い遺産を多く持つ田舎の小さな村の観光を促進することにある。協会の所在地はコロンジュ=ラ=ルージュであるが、事務局はクレルモン=フェランに置いている。(中略)協会の定めた基準はいくつもあるが要約すると以下の3点である。
●人口が2000人を超えないこと
●最低2つの遺産・遺跡(景観、芸術、科学、歴史の面で)があり土地利用計画で保護のための政策が行われていること
●コミューン議会で同意が得られていること
(中略)認定後にも審査があり、資格が剥奪されることもある。2018年10月現在で158のコミューンと数千の会員を有している。
 ---------------引用終わり-----------------
指定の村の入り口には他の道路標識に交じって,挿絵のような標識が立っています。
美しい村標識.jpg

 さてここは、その名の示すように町の大半の建築が赤い砂岩で出来ている。(煉瓦色ですが煉瓦ではないのです)、元は漆喰で上塗りしてあったのですが、剥げて、この方がキレイと「煉瓦むき出し」に揃えたようです。
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 次の挿絵は前述の「塗り絵」作品です。
コロンジュ・ラ・ルージュ.jpg

 エハガキ「絵のように美しい……」。
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 エハガキ「人魚の家」。
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 ここの教会「聖ピエール教会(Église St-Pierre)」も赤いです。全景は「ウィキペディア」からお借りしました。
コロンジュ教会.jpg

 建設は11〜12世紀ですがその後の破壊や改築で「ロマネスク」といえるのは「扉口のタンパン彫刻」と「大きい方の塔」のみといわれています。そのタンパンも「宗教戦争」の折り、解体して隠してあったのを1923年に元の位置に復元したとのことです。
コロンジュタンパン.jpg

 「タンパン」部分だけ、赤い砂岩とは対照的な白い「ナザレ石灰岩(テュレンヌ近くの地域)」が使われており、印象的。上段には、二人の天使に持ち上げられているキリストと、両側に翼を広げたもう二人の天使が描かれ、羽根や衣服の裾など、細部にまで繊細な表現が成されています。 下段には、十二人の人物が一列に並んで立っており、悲しみの聖母と十一人の使徒といわれています。
 その下にあけられた左右の扉口の「三つ葉模様」は、これも「モサラベ様式」の流れと思われます。

 ここのカッフェでちょっと休憩しました。FF23.5(¥730)。注)トイレを借りたのかも……14:10 、次に向かいます。

 ……23キロ、14:30、「ボーリュー・シュル・ドルドーニュ( BEAULIEU-SUR-DORDOGNE )」。ここは、その名の通り「ドルドーニュ河」に沿った町です。教会は広場に面しています。暑くなってきました。この頃のフランスのレンタカーは「冷房車」が一台もないのです。

「聖ピエール教会(Église St-Pierre)」。 教会は、三廊式の身廊、周歩廊に三つの小祭室、翼廊と各々の小祭室、十字部分の方形ドーム、などの完備した12世紀初頭の巡礼教会の典型です。
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 平面図。
ボーリュー平面図.jpg

 右翼廊から祭室にかけての後陣部分が最も古く、写真の南扉口の部分はそれよりも少し後の制作。
ボーリュー南扉口.jpg

 タンパンの彫刻は「最後の審判」で、キリストの磔刑を暗示し、天国への昇天を祝福してラッパを吹く天使や、鍵を持つ使徒ペテロなど多くの聖人像が刻まれています。量感豊かで、表現技術も立派なタンパン彫刻といえるでしょう。
 拡大図を何枚か……
ボーリュー拡大1.jpg

 カギを持っているのが聖ペテロ。
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 怪獣。
ボーリュー拡大3.jpg

 中央柱の上部拡大。
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 身廊。
ボーリュー身廊.jpg

 15:30、ここを離れ南西へ16キロ……

 この日つづく……

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