【海外旅行】1981~2年ポワトーロマネスク紀行(16/19)

【第7日】1981年12月31日の(木)つづき 日の出  : 08:47:05 日の入り : 17:24:02 レート:FF1.00(フランス・フラン)=¥39。

ラ・ロシェルLa Rochelle(Vieux Port)→マレ・ポワトヴァン自然公園Parc naturel régional du Marais Poitevin内)→メルゼMaillezais(Eglise Saint-Nicolas/Abbey)→フニウーFenioux→マタMatha(St-Hérie/Marestay)→オルネーAulnay(St-Pierre)→ラ・クレッシュLa Crèche(Motel des Rocs)

 オルネーへの道は、やはりブドウ畑と牧場、一面の耕地、やや起伏あり、空は晴れて、車の中は小春日和。小さな村をいくつか過ぎる、家の玄関の所に松が立ててある。「門松」なんて無いでしょう……

 15:30、「オルネー」の「聖ピエール教会(Église St-Pierre)」。広い囲い地(墓地を含む)の中にあります。世界遺産に登録されています。

 東南から見た。
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 西ファサード。
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 12世紀の創建ですが。15世紀西ファサードにゴシックバットレスのような角柱が補強されています。
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 西メインポータル。この地方特有、タンパンがありません、4本のヴッシュール。
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 一番外は「黄道十二宮と月々の仕事」、拡大してみると写真左端「GEMINI」の文字「双子宮/5月」その隣が「JUNIUS」(6月)で二人の男が立っています(右の人は身体部分が欠けていますが)。その右側「農作業をする人」。さらにその右は「蟹(かに)座(6月)」と推定されます。
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 第2層は「マタイによる福音書(第25章1-13節)」の「十人の処女たちのたとえ話」を表しています。キリストを中心に左の賢い5人は灯りを持っています、右の愚かな5人は灯りを持たず眠っています。
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 第3層は「カタロニアの詩人プルデンシエス(Prudentius)の「魂の戦い(Psychomachia)」を表しています。盾や槍を持った人物(美徳)は怪物(悪徳)を押さえつけています。上部には美徳と悪徳の内容がラテン語で記されています。

 最内周層は、「神の子羊」のメダイヨンを両側から天使達が支え礼拝しています。

 西ファサードの右側のブラインド・ベイのタンパンには「有名な」「聖ペテロの逆さ十字刑」があります。二人の男は足に釘を打っているところ。
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 左ブラインド・ベイのタンパンは「聖パウロと聖ペテロを従えたキリスト」になっています。どちらのベイも「尖頭アーチ」になっています。
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 もう一つの扉口は翼廊部分の南側に付いています。こちらの方も立派です。やはりタンパンの無い扉口です。4重のヴッシュールで飾られています。ここも両角はそれぞれ5本の長柱で囲われています、

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 一番外側は「いろんな動物や怪物が並んでいます。一番の見どころ。獣、鳥、人頭の獣。人頭の鳥など……
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 そして2層目。3層目は人物が並びます。2層目が長老達、3層目は後光が付いているので使徒や預言者達のようです。この層は表面だけでなく側面にも跪く人、支える人などの彫刻がぎっしり並んでいます。
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 後陣の窓。蔓を絡めた人像。精細で見事。
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 内部の柱頭の抜粋です。
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 この「大きな顔」。現代アート展でも通用する造形です。
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 庭の墓地の中に14世紀の「ホサナ十字架(Croix hosannière)」と云われる塔が建っています。12世紀から14世紀にかけ西フランスの墓地に多く建設されました。葬儀塔といわれています。
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 注)ホサナ(Hosanna):ヘブライ語で、救い給え、の意。「ホザンナ」「ホザナ」とも。イエス=キリストがエルサレムに入ったとき、民衆が祝って挙げた叫び。神を賛える言葉として、典礼の中で歌われる。

 17:50 暗くなってきました。北へ60キロ……夜道を急ぎます。
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 宿は「ラ・クレッシュ(La Crèche)」という街の「モテル・デ・ロック(Motel des Rocs)」。19:00。案の定、レセプションには人がいません。ただ予約してあったので、「貴方のカギは部屋に付けてある」との貼り紙。今日は12月31日「ジルベスターの日」ということで夜は晩餐会に出かけてしまうご当地の習慣。泊まり客は2〜3組のよう。シンプルですが清潔です。

 夜の食事は外へ行きました。残念ながら私は前日の「ヨットマン」の「生のあさり?」(マダムがそばで付き添ってドンドン剥いてくれたので)の食べ過ぎか、お腹がしくしく痛んで、一人ホテルで留守番。この時のレストランのスナップ。パーティに行かないで営業している食堂もあるんですねぇ……
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 ステーキが美味しかったとか。星空がキレイだったとか……

 この日終わり。

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