【海外旅行】1980年〜81年スペイン・ナバラ・ロマネスク紀行(4)

【第3日】1980年12月29日(月) レート:¥2.7/PTS(スペインペセタ)

 やっとここから4人旅。ブルゴスのホテル代金:Pts3,400(1部屋)。先ず東南67キロ地点にある。今回の「目玉」の一つ「サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院(MONASTERIO-SANTO-DOMINGO-DE-SILOS)」に向かいます。ホテル出発、9:05→10:10到着です。これは前以て見学予約をしてあったので、その時刻に行ったわけです。挿絵は「シロスからの返事の手紙」。リクエストが8月17日、返事が9月17日の日付です。個人旅行では、このように早くから日程を決めて、手紙でのヤリトリをしています。
シロスレター.jpg

29地図.jpg

ナヴァラ前半地図.jpg

 ここの設立は西ゴート時代(6~8世紀)に遡る。8〜9世紀のイスラムの時代を経て、10世紀初めに再興される。サント・ドミンゴ(1041~1073)が修道院長の時期、そして11世紀から12世紀にかけて、ロマネスクの時代に最盛期を迎えた。その後衰退したが16世紀初めに復興。また荒廃の時期があったが、1880年フランスのベネディクト修道会により再建され現在に至る。

 一部の西ゴートやモサラベ的な建築や彫刻を除いて、この建物はロマネスク中世修道院と18世紀新古典主義修道院、主正面、宿所、教会から成り立っています。

 とくに、二層になった「ロマネスク回廊」が素晴らしい。サイズは33m×30m。
シロス回廊図.jpg

シロス回廊.jpg

 下の層の柱頭彫刻、特に北側、東側は11世紀後半の天才的な彫刻家の作品とされ、南と西は12世紀初めに彫刻されやはり第一級の芸術家がここで作業した。上の層は12世紀末から13世紀初めの作品で第二級彫刻家と見做されています。

 私達の見学も下の層のみです。

 ここで、超有名なのが隅の角柱の彫刻【北西隅】F.「トマスの不信(The hesitation of Saint Thomas)」。写真は「左・エマオへの道」「右・トマスの不信」。
トマス1.jpg

 「トマスの不信」はキリストが復活したことを聞いた弟子のトマスがそれを信じないことから始まる聖書主題で、ルカ伝24章にあります。トマスは「そのわき(傷跡)に手を差し入れない限りそれを信じない」と他の弟子たちに言い放つ。その後トマスはキリストに手をわきに差し入れるように言われその通りにし、ようやくキリストの復活を信じた。そうしてキリストは「あなたは私を見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、幸いである」とトマスに言う、というエピソードです。

 拡大図。
トマス拡大.jpg

 少しプリミティヴな表現、弟子たちを山のように盛り上げた構図など、やはり「ロマネスク」の逸品です。

 写真右側は【北西隅】E.「エマオへの道(Jesus with the disciples of Emaus)」。これも弟子たちがイエスの処刑を見て落胆して「エマオ」という村への道の途中、復活したイエスと出会い、対話をかわすのですが、イエスと気付かず、村に着いてから、パンを裂く姿を見て、やっと気がつく……という聖書主題です。これもルカ伝24章にあります。

 拡大図。
エマオ拡大.jpg

 その他の各隅の彫刻は……
【東南隅】A.キリスト昇天(Ascension of the Lord)
キリスト昇天.jpg

同B.聖霊降臨(Pentecost: The coming of theHoly Spirit)
聖霊降臨.jpg

【北東隅】C.イエスの埋葬と復活(Burying and Resurrection of Jesus)
埋葬復活.jpg

同D.キリストの十字架降架(Deposition of Christ's body)
十字架降架.jpg

【南西隅】G.受胎告知とマリアの戴冠(Annunciation and Coronation of Mary)
受胎告知.jpg

同H.エッサイの木またはイエスについての神と人の系図(The Tree of Jese, or human and divine genealogy)
えさいの木.jpg

 各アーチの柱頭は傑作揃いですが、ここでは2つだけ上げておきます。

【13】蔓に絡まれるライオン(Entangled lions)
蔓ライオン.jpg

【43】生命と死の樹(The Tree of Life and Death)
生命と死の樹.jpg

 2時間30分の見学を終え、12:40ここを離れ、40キロ離れたキンタニア・デラ・ヴィニャス(QUINTANILLA-DE-LA-VIÑAS)に向かう。

 この日つづく……

この記事へのコメント